電話越しに相手の声を聞いただけで「この人は信頼できそうだ」あるいは「威圧感がある」と感じた経験は誰にでもあると思いますが、実は声の低さ(基本周波数の低さ)とテストステロン値の間には密接な相関関係があり、低く響くバリトンボイスを持つ男性は高テストステロンである可能性が高く、その声自体が相手の本能に訴えかけ無意識のうちに服従や信頼を引き出す強力な武器として機能していることが分かっています。変声期に喉仏が発達し声帯が長く厚くなるのはテストステロンの作用によるものですが、大人になってからもホルモン値が高い状態が維持されている人は、声に張りがありお腹の底から響くような太い声を出す傾向があり、この声質は生物学的に「体が大きく強いオス」であることを示すシグナルとして機能するため、聞くに対して本能的な畏敬の念を抱かせ説得力を増す効果があります。実際にアメリカの大統領選挙や企業のCEOの演説などを分析した研究では、声が低い候補者ほど得票率が高かったり、より大きな利益を上げていたりするというデータもあり、リーダーとして人を動かすためには論理的な言葉の内容以上に、それを伝える「声」という媒体が持つ周波数が重要であることを物語っています。また話し方にも特徴があり、テストステロンが高い人は自信に満ちているため、早口でまくし立てるような話し方はせず、ゆったりとしたペースで落ち着いて話し、語尾まで言い切る断定的な表現を好む傾向があり、沈黙を恐れない堂々とした態度は「動じない心」の表れとして周囲に安心感を与えます。もちろん生まれつきの声帯の形状もありますが、意識的に腹式呼吸を行い深く響く声で話すように心がけたり、背筋を伸ばして胸を開いて発声したりすることで、テストステロンの分泌を促すポーズ(パワーポーズ)の効果と相まって、後天的に「成功者の声」に近づくことは可能です。声はその人の生命エネルギーが音となって現れたものであり、テストステロンが高い人の声には聴く人の心を揺さぶり鼓舞する力強さが宿っていますので、自分の声を録音して聞き直し、頼りない話し方になっていないかチェックすることは、自分のホルモン状態を客観視し改善するための有効なアプローチとなるでしょう。