イライラすると無性に甘いものが食べたくなったり、脂っこいスナック菓子を一袋空けてしまったりする「ストレス食い」は、一時的に脳に快楽を与えてストレスを発散させたような気にさせますが、その代償として頭皮環境を劇的に悪化させ、抜け毛を加速させる時限爆弾のような行為であることを自覚しなければなりません。ストレスを感じると体はエネルギーを欲して糖質や脂質を求めるようになりますが、これらを過剰に摂取すると、皮脂の原料となる中性脂肪が急増し、頭皮の皮脂腺から大量の油分が分泌されるようになります。過剰な皮脂は頭皮の常在菌であるマラセチア菌の餌となり、菌が異常繁殖することで炎症やかゆみ、フケを引き起こす脂漏性皮膚炎の原因となり、毛根にダメージを与えて抜け毛を誘発します。また、糖質の摂りすぎは体内でタンパク質と結びついてAGEs(終末糖化産物)という老化物質を作り出す「糖化」を引き起こしますが、これが頭皮のコラーゲンを硬くして弾力を奪い、血流を悪化させるとともに毛包細胞を老化させて髪の成長力を奪ってしまいます。さらに、ジャンクフードやインスタント食品に含まれる食品添加物は、解毒のために大量のビタミンやミネラルを消費させるため、髪に必要な栄養素が枯渇し、栄養失調状態の弱々しい髪しか生えてこなくなります。ストレス食いを防ぐためには、まず「食べること」以外でのストレス発散方法を見つけることが重要ですが、どうしても食べたくなった時は、ナッツ類や高カカオチョコレート、スルメなどの噛みごたえがあり栄養価の高いものを選んで代用したり、温かいハーブティーを飲んで心を落ち着かせたりする工夫が必要です。食べたものはあなたの体を作り、あなたの髪を作ります。一時的なストレス解消のために未来の髪を犠牲にするのではなく、体を労る食事を選ぶことが、結果としてストレスに負けない強い髪と心を作ることにつながるのです。「笑う」という行為は人間だけに与えられた特権であり、最強の健康法でもありますが、実は育毛においても「笑い」は驚くべきパワーを秘めており、ユーモアを持って薄毛と向き合うことが、案外一番の特効薬になるかもしれません。笑うと腹式呼吸になって体内に大量の酸素が取り込まれ、横隔膜が動くことで内臓のマッサージ効果が生まれ血流が良くなりますが、それだけでなく、脳内では快楽ホルモンであるドーパミンや精神を安定させるセロトニン、鎮痛作用のあるエンドルフィンなどが大量に分泌され、コルチゾール値が一気に下がることが分かっています。さらに、笑いはNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化させて免疫力を高める効果があるため、円形脱毛症のような自己免疫疾患の改善や、頭皮の炎症予防にも寄与します。作り笑いでも顔の表情筋が動くことで脳が「楽しい」と錯覚して同様の効果が得られるため、鏡の前で口角を上げてニコッと笑う練習をするだけでも効果があります。
ストレス食いが引き起こす頭皮の炎症と抜け毛