30代半ばに差し掛かった頃ふと鏡を見たときに自分のこめかみ部分が以前よりも後退していることに気づき最初は気のせいだと思おうとしましたが日に日にM字の切れ込みが深くなっていく現実に直面し底知れぬ恐怖と焦りを感じたことを今でも鮮明に覚えています。当時の僕は仕事のプロジェクトリーダーを任され毎日のように残業が続きプレッシャーと睡眠不足が常態化しているような生活を送っており食事もコンビニ弁当やファストフードで済ませることが多く髪の毛のことなど気にかける余裕すらない状況でしたがまさか自分がこれほど早く薄毛の悩みを抱えることになるとは夢にも思っておらず最初は市販の育毛トニックを買ってきては気休め程度に使ってみるものの目に見える効果は全く現れずむしろ進行していく薄毛に対して無力感を味わう日々が続きました。そんなある日久しぶりに会った学生時代の友人から最近老けたなと何気なく言われた一言が僕の心に深く突き刺さりこれ以上放置していてはいけないと一念発起して本格的な薄毛対策に取り組む決意を固めました。まず最初に行ったのはインターネットや書籍を読み漁りこめかみの薄毛に関する正しい知識を身につけることでしたがそこで知ったのはAGAという男性特有の脱毛症の存在とそれが進行性であるという残酷な事実であり自己流のケアでは限界があることを痛感させられました。そこで意を決して専門のクリニックの門を叩き医師の診断を受けることにしましたが診断結果はやはり初期のAGAであり治療には内服薬と外用薬の併用が最も効果的であると説明を受け半信半疑ながらも処方された薬を飲み始めると同時に生活習慣の改善にも着手することにしました。まずは食生活を見直し髪の原料となるタンパク質を多く含む鶏肉や大豆製品亜鉛を含む牡蠣やナッツ類ビタミン類を豊富に含む野菜や果物を意識して摂取するように心がけ外食の際も定食屋を選ぶなど栄養バランスを考えたメニュー選びを徹底しました。また睡眠不足が大敵であることを知りどんなに忙しくても最低6時間は睡眠時間を確保するようにスケジュールを調整し就寝前のスマホ操作をやめて質の高い睡眠をとるための環境づくりを行いました。さらにこめかみの血行不良が薄毛の一因であると知った僕は入浴中に頭皮マッサージを行うことを日課にし指の腹を使って頭皮全体を揉みほぐすだけでなく耳の上からこめかみにかけてのリンパの流れを意識してマッサージすることで凝り固まった頭皮を柔らかく保つように努めました。治療を開始して最初の数ヶ月は初期脱毛という一時的な抜け毛の増加に見舞われ不安で押しつぶされそうになりましたが医師のこれは新しい髪が生えてくる準備期間だという言葉を信じて治療を継続した結果半年が経過した頃には明らかに産毛が増え始め生え際の後退が止まっていることを実感できるようになりました。そして1年が経つ頃にはかつてのこめかみのラインが復活しつつあり髪にコシとハリが戻ってきたことで鏡を見るのが苦痛ではなくなり自分自身への自信も取り戻すことができたのです。