街中やオフィスでふとすれ違った男性に対して直感的に「強そう」「仕事ができそう」と感じる瞬間があるとしたら、それはあなたの本能が相手の顔つきから発せられる高テストステロンのサインを無意識のうちに読み取っている可能性が高く、実は顔の形状やパーツの配置には胎児期から現在に至るまでのホルモン暴露の歴史が刻まれており、いわゆる「テストステロン顔」と呼ばれる特徴的な相貌が存在することは進化心理学や顔相学の分野でも広く知られている事実です。最も分かりやすい特徴はフェイスラインに現れ、テストステロン値が高い男性は下顎が発達してエラが張り、顎先が太くしっかりとしている傾向があり、これが顔全体にどっしりとした安定感と威厳を与えています。また眉骨と呼ばれる眉毛の下の骨が隆起しているため目が奥まった位置にあるように見え、これによって彫りの深い陰影のある顔立ちが形成され、鋭く射るような眼光と相まって相手に心理的なプレッシャーや頼もしさを感じさせる要因となっています。さらに顔の横幅に対する縦の長さの比率、いわゆるfWHR(Facial Width-to-Height Ratio)という指標においても、テストステロンが高い人は顔の横幅が広く縦が短いという特徴があり、この比率が高い顔ほど攻撃的で支配的な傾向があるという研究結果も報告されていることから、スポーツ選手や格闘家などの闘争心が必要な職業の男性に多く見られる顔立ちであるとも言えます。肌質に関してもテストステロンは皮脂の分泌を促す作用があるため、乾燥肌よりもオイリー肌で艶があり、血色が良く赤ら顔に近い健康的な肌色をしていることが多く、これもまた生命力の強さを視覚的にアピールする要素となっています。ただし、これらの特徴はあくまで生物学的な傾向であり、必ずしも全ての高テストステロン男性が厳つい顔をしているわけではありませんが、私たちが「男らしい顔」として認識する美の基準の根底には、優秀な遺伝子を残す能力が高いオスを見分けるための太古からの知恵が組み込まれており、ハンサムかどうかという主観的な評価とは別に、生存能力の高さを示す指標として顔つきをスキャンする能力が人間には備わっているのです。