これまでテストステロンが高いことのメリットやポジティブな特徴ばかりに目を向けてきましたが、光が強ければ影もまた濃くなるように、高テストステロンには特有の悩みや身体的なデメリットも存在しており、特に多くの男性を絶望の淵に追いやる「薄毛」や思春期のような「肌トラブル」は、強力な男性ホルモンが引き起こす副作用的な現象として避けては通れない現実です。一般的にテストステロンが高いとハゲやすいと言われていますが、厳密にはテストステロンそのものが髪を抜けさせるのではなく、テストステロンが5αリダクターゼという酵素と結合してジヒドロテストステロン(DHT)というより強力なホルモンに変換されることで、ヘアサイクルが短縮され髪が成長する前に抜け落ちてしまうAGA(男性型脱毛症)が発症するというメカニズムがあります。つまりテストステロンの量が多いということは、その原料となる物質が豊富にあることを意味し、体質的に5αリダクターゼの活性が高い場合、大量のDHTが生成されてしまい薄毛のリスクが飛躍的に高まることになるのです。また肌に関してもテストステロンは皮脂腺を刺激して皮脂の分泌量を増やす作用があるため、顔がテカリやすかったり毛穴が詰まりやすかったりする傾向があり、大人になってもニキビや吹き出物に悩まされたり、頭皮の脂っぽさや臭いが気になったりすることが多く、清潔感を保つためには人一倍スキンケアやヘアケアに気を使わなければならないという苦労があります。さらに気性の荒さや衝動性の強さも裏目に出ることがあり、些細なことでイライラしてしまったり、攻撃的な言動で人間関係を損ねてしまったりするリスクも潜んでいるため、自分の感情の波をコントロールする精神修養が必要になる場面も少なくありません。しかしこれらのデメリットは、男性としての機能が正常に、あるいは過剰に働いている証拠でもあり、薄毛は精力絶倫の代償、オイリー肌は若々しさの裏返しと捉えることもできますし、現代医学やスキンケア技術を駆使すればある程度は対処可能な問題ですので、デメリットを過度に恐れることなく、溢れるエネルギーをプラスの方向に転換していく賢さが求められています。