結婚式の代わりにフォトウェディングを選んだ私たち。それは、形式ばった儀式よりも、二人らしい自然体な記念の形を求めてのことでした。しかし、その決断の裏側で、私はある一つの計画を、彼にも内緒で、そして両家の両親にはもちろん秘密で、水面下で進めていました。それは、私たちのフォトウェディングを、ただの記念撮影ではなく、これまで私たちを育て、支えてくれた両親たちへの、感謝を伝えるサプライズプレゼントにするという、壮大で、少しだけ無謀なミッションでした。 計画の第一歩は、フォトウェディングの当日を「両家の顔合わせ食事会」と偽って、両親と兄弟を都内のレストランに招待することから始まりました。もちろん、本当の目的はそのレストランに隣接するフォトスタジオでの撮影です。担当のプランナーさんを「共犯者」として巻き込み、当日の段取りを緻-に練り上げました。まず、私と彼は「少しだけ準備があるから」と嘘をついて先に会場入りし、ヘアメイクと衣装の着付けを済ませます。そして、何も知らない家族がレストランに到着する頃合いを見計らって、私たちはサプライズで登場するというシナリオでした。両親たちの驚く顔を想像するだけで、私の胸は期待と緊張で張り裂けそうでした。 そして迎えた当日。計画は、私たちの想像を遥かに超える感動的な結末を迎えました。レストランの個室の扉を、ウェディングドレスとタキシード姿の私たちがそっと開けた瞬間、談笑していた家族の時間が、ぴたりと止まりました。一瞬の沈黙の後、最初に状況を理解した私の母が、「え…?えぇーっ!?」という悲鳴に近い歓声を上げ、その場に泣き崩れたのです。いつもは冷静な彼の父親でさえ、目を丸くして立ち上がり、言葉を失っていました。その驚きと、喜びと、戸惑いが入り混じった表情は、まさに私が思い描いていた通りの、最高のリアクションでした。サプライズは、大成功です。 しかし、私が用意していたプレゼントは、これだけではありませんでした。スタジオに移動し、私たちの撮影が一通り終わった後、私はプランナーさんに合図を送りました。そして、両家の母親たちの前に、それぞれ一着のドレスを、父親たちの前にはタキシードを用意したのです。「今日は、私たちだけじゃなくて、お父さんとお母さんにも、もう一度、結婚式の主役になってもらいたいの」。そう告げると、最初は「そんな、滅相もない!」と固辞していた両親たちも、私たちの熱意に押され、少し照れくさそうに、しかし、まんざらでもない表情で、衣装に袖を通してくれました。 ドレスアップした母たちの姿は、驚くほど美しく、そして父たちのタキシード姿は、とてもダンディで、頼もしく見えました。私たちは、それぞれの両親の「結婚25周年」と「結婚30周年」を祝う、ささやかな記念撮影会をプレゼントしたのです。カメラの前に並んだ父と母は、まるで新婚の頃に戻ったかのように、ぎこちなく、そして幸せそうに微笑み合っていました。その姿を見て、私は涙が止まりませんでした。私たちが今こうしてここにいられるのは、この二人が出会い、愛を育み、たくさんの困難を乗り越えて、家族を守り続けてきてくれたから。その感謝の気持ちを、言葉だけではなく、形として伝えることができた。その事実が、何よりも嬉しかったのです。 その日の最後には、全員で食卓を囲みました。そこにはもう、最初にあったような緊張感はなく、二つの家族が、本当の意味で一つの「新しい家族」になったような、温かく、和やかな空気が流れていました。出来上がったアルバムには、私たちのウェディングフォトだけでなく、少し照れくさそうに寄り添う両親たちの写真も、大切な思い出として収められています。私たちのフォトウェディングは、結果的に、私たち二人だけの記念日ではなく、両親たちにとっても、夫婦の絆を再確認する特別な一日となりました。そして、それは私たちから両親へ贈った、最高の親孝行になったと、今、心から信じています。この日の記憶は、これから先、私たちがどんな困難に直面しても、家族の温かさと絆を思い出させてくれる、かけがえのない宝物であり続けるでしょう。

話を聞くまで気づかなかった不眠症の意外な原因

ブライダルコンサルティングプランナーの苦悩不眠症で通っていた主治医からの忘れられない話です。心療内科ということもあり内科や外科と違い診察時間の大半がカウンセリングなのですが、勝手な印象で心療内科の先生は柔らかい物腰で接するものだと思っていたので、初めて診察を受けに行ったとき先生の強めの話し方と意外な質問に驚きました。入眠がむずかしいといことは疲れるまで体を動かしてないんじゃないの?なにか常に心配事があるから眠れないんじゃないの?貯金はいくらあるの?不眠症は薬を処方してもらえばいいだけだと思っていた私はなぜこのようなことを聞かれるのか理解ができず、その質問は不眠症に関係があるのでしょうか?と聞くと、「子どものときから不眠症だったわけじゃないでしょ?人間って不安なことがあると緊張感で寝れなくなるんだよ。貯金について聞いたのはお金の心配事はバカにならないから。貯金がある人は心に余裕ができるけど、無いと常に生活の心配をしなくちゃならないから心に負担をかけ続けるんだよ。」と答えてくれました。当時、遊ぶことを優先して貯金がほとんどなく急な支払いが来たらどうしようもできない状態で毎日郵便物に怯えていました。不眠症なのは体質的な問題だと思っていたので、心配事を取り除くことで改善できるかもしれないということに安堵したのです。自宅の外壁の塗装を行いました。15年ほど前に注文住宅で自分の家を建築しました。当時子供が生まれたこともあり、それまで住んでいた賃貸住宅が手狭になってきて注文住宅を建てました。間取りプランや外観のデザイン、キッチンなど設備の良さを考慮して、ハウスメーカーを選びました。とても満足して住んでいましたが、やはり家が古くなってくるといろんなところが気になるようになりました。特に外壁は築10年を過ぎた位から汚れが目立つようになりました。気にはなっていたものの特に何かしようと思う事はありませんでした。ハウスメーカーの定期点検があり、アフターサービスの人からそろそろ外壁のメンテナンスをした方が良いとアドバイスをもらえました。外壁の汚れは放って置くと雨もれなどの原因になることもあり家を痛めてしまうリスクがあるとの事でした。そこで、ハウスメーカーのリフォームで外壁塗装の見積もりをお願いしました。足場工事を含めて約150万円の見積もりがきて、とてもびっくりしました。インターネットでいろいろ調べると決して高い金額ではなく、外壁塗装の工事は大きなお金がかかるものだと思いました。その際にいろいろ調べたのですが、当時新築した際にデザイン重視で選んだ外壁でしたが、メンテナンス的にはお金のかかるものでした。外壁の種類によってはメンテナンスコストをおさえられる外壁もある事を知りました。これから新築住宅を建てる人には、住んだあとのメンテナンスコストも考慮したお家づくりを考えてもらうとより良いかもしれません。「強めの口調だったのは、不眠症は治せる病気だけど本人が生活を変えないと改善できない病気だから。いきなり説教されても最後まで話を聞いてくれた君は治療する気があるようだから頑張ろうね。」と話してくれ、この先生を信じてみようと通院を決めました。少しずつ貯金が増えていくたびに睡眠時の途中覚醒が減っていったのには感動しました。現在も入眠は薬に頼らなければ難しい状態ではあるのですが、貯金という意外なところで悩みが解決できることを教えてくれて真正面から向き合ってくれる主治医を信じて治療を続けていきます。