頭頂部の薄さをカバーする髪型にしたとしても、毎日のスタイリングがうまくいかなければ、その魅力は半減してしまいます。しかし、いくつかの簡単なコツを覚えるだけで、誰でも理想的なボリューム感を創り出すことが可能です。重要なのは、ドライヤーの使い方とスタイリング剤の選び方、そして付け方の三点です。まず、全ての基本となるのがドライヤーです。髪を乾かす際、多くの人が上から下へと風を当ててしまいますが、これはボリュームを潰す原因になります。理想は、下から上へ、髪の根元を立ち上げるように風を送ることです。特にボリュームを出したい頭頂部は、指で髪の根元を軽く持ち上げながら、そこに温風を当てて形を記憶させましょう。この一手間だけで、仕上がりが劇的に変わります。次に、スタイリング剤の選び方です。てっぺんの薄さが気になる場合、ジェルやグリースのようなツヤ感が強く、ウェットな質感になるものは避けるべきです。髪が束になってしまい、地肌が透けて見えやすくなります。選ぶべきは、クレイ系やファイバー系といった、ツヤのないマットな質感のワックスです。これらは髪一本一本をコーティングし、フワッとした軽い仕上がりになるため、自然なボリューム感を演出できます。最後に、付け方です。ワックスを手のひらに取ったら、指の間までしっかりと伸ばします。そして、いきなり髪の表面につけるのではなく、髪の内側、根元に近い部分から手ぐしを通すように馴染ませていくのがポイントです。毛先だけにつけてもボリュームは出ません。根元から全体に均一に馴染ませた後、指先で毛束をつまむようにしてシルエットを整えます。この三つの技術をマスターすれば、毎朝のスタイリングが、コンプレックスを自信に変える楽しい時間になるはずです。